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こころのクリニックで働くスタッフ達のブログ

by clovercl

中動態の世界

皆さま、こんにちは。伊藤です。

少し前、『中動態の世界』(國分功一郎 著)という本を読みました。「中動態」というのは、ギリシャ語やラテン語などで用いられる文法のことで、能動態でも受動態でもなく、その動作が動作主に向かってなされるときに用いられる態だそうです。(言語学には明るくないので、不正確でしたらすみません)

『中動態の世界』の中で印象的だったのは、意思と責任についての考え方です。そこでは、近代の法治国家では何らかの行為について意思と責任のセットが前提になっているけれども、そもそも人はいつでも意思に基づいて何かを行うのか、いつでも行為の責任をとることができるのか?というテーマが出てきます。
行為はいつでもコントロール可能でしょうか。考えてみれば、そうでもないこともありますね。不本意ながらにせねばならない行為は必ずしも意思と一致しません。また、意思とは関係なくなされる行為(例えば、涙を流す、は中動態でしょうか)もあります。

もちろん社会生活の中では意思と責任に基づいた振る舞いは大切なのですが、一方で、言動すべてをコントロールしようと意気込むと無理が生じます。
コントロールできないものはありのままに受け入れつつ、外界との相互作用の中でしなやかに生きられると良いものだと思います。

by clovercl | 2021-01-26 09:00 | スタッフ雑記 | Comments(3)
Commented by のび太 at 2021-02-01 17:44 x
中動態という言葉を初めて知りました。
涙を流す、確かにそうですよね。
Commented by clovercl at 2021-02-02 09:19
> のび太さん
コメントありがとうございます。中動態、私も國分先生の本を読んで初めて知りました。新たな概念を知ることは自分を助けてくれるものだな、などと思います。
伊藤
Commented by clovercl at 2021-02-02 09:19
> のび太さん
コメントありがとうございます。中動態、私も國分先生の本を読んで初めて知りました。新たな概念を知ることは自分を助けてくれるものだな、などと思います。
伊藤