柔らかく考えるクセをつける
2020年 07月 07日
みなさま、こんにちは。児島です。
先日、CBTについて考えていた時に、ふと、昔見たアニメのワンシーンを思い出しました。
うろ覚えなのですが、車が学校の前の狭い道を猛スピードで走り去り、それに対してAくんが「なんて危ないんだ!非常識だ!」と怒るシーンです。確かに、現実でもありうる危険な場面で、Aくんの怒りももっともです。
これに対して、Bちゃんがかけた言葉が(ここもうろ覚えなのですが)印象的だったのを覚えています。
それは「もしかしたら妊婦さんを乗せて急いでたのかも。けが人がいて急いでたのかも」というような言葉です。
まさしくこれは、柔軟な認知、リフレーミングです。「スピードを出している車」=「危険!非常識!」という側面から少し視点をずらし、運転手さんの事情を考えてみることで、「スピードを出している車」=「もしかしたら急がなければいけない理由があったのかも?」という、別の視点で状況をとらえなおしていますよね。
狭い道をスピードを出して走ることは事実危険ですし、許されていい事ではありませんが、その車を追いかけて止めること(起きてしまった出来事をかえること)はできません。
それであれば、それに対して怒りの気持ちを持ち続けるよりも、その後に「こういう理由があったのかもなぁ」と少し柔らかい考えを足してみることで、自分の気持ちを落ち着かせられる方が、メリットが大きいのではないでしょうか?(怒ってイライラし続けていたい!という人は少ないはず…!)
とはいえ、最初から運転手さんの事情を考慮しなければいけないわけではありません。「危ない!」と怒りの気持ちを抱くことは何ら問題がないのです(事実、危険な状況に対して「危ない!」と思わなければ、自分の命を守れないことがあります)。
ですが、怒りの気持ちを抱き続けることで、デメリットが大きい時(ずっとそのことについて考えてしまって、ほかのことに手がつかない等)には、自分の気持ちを落ち着かせられるような、柔らかい認知を追加してみるのも大事なコーピング(対処)です。
このシーンを思い出したことで、「柔らかい考え方って、日常生活でいつでも試すチャンスがあるなぁ」と改めて実感しました。例えば満員電車でギュッと押された時、列に割込みされた時、マスクをしていない人を見た時…。些細な「イラッ」は日常のいろんなところにありますよね(ありますよね…?)。
いざ!という場面になってからスキルを使おうとしても、中々うまくいかないことが多いものですから(試合本番になってからあまり練習のしていない手法で戦おうとしても、勝つのは難しいですよね)、日常生活の些細な「イラッ」に対して日々練習をしておくことで、「柔らかく考えるクセ」を付けておくようにしたいですね。
by clovercl
| 2020-07-07 11:41
| 認知行動療法
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