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自分を客観視する

みなさま、こんにちは。野口です。

リワーク・プログラムでは認知行動療法(CBT)をベースにした
様々なワークを行っています。
メンバーの皆さんとスタッフと話し合いながら、
CBTの考え方を活用して、ストレスへどのように対処するか
一緒に考えて実行してみよう!ということを毎日行っています。

先日はそれぞれのメンバーさんがネガティブな気分になった時を
振り返るというワークをしました。
ある方は、「電車に乗っていたらブツブツ一人でしゃべってる人がいて、
『なんだかうるさいな』と不快な気持ちになったんですよ。
それですぐに『いやいや、そんなこと考えちゃダメだ』とも思い直して」
というエピソードについて話してくれました。

すると他のメンバーの皆さんから一斉に
「それは不快な気持ちになるよ!」
「不快に思ってはダメ、って考えなくてもいいんじゃない」
「そういうときは相手を変えるより、自分が出来ることすればいい。
車両を移動するとか、イヤホンで音楽を聴くとか。気にならなくなるような事をすれば」
・・・・と沢山の意見がわき起こりました。

”電車で思いがけない人の行動に不快感を抱き、そう感じた自分を更にダメだと思った”
これは確かにストレスになりますよね。
ストレスに感じることがあったときは、その対処法を選んで実行したいのですが、
その前に「自分に今、どういうことが起きているのだろう」という視点で
自分の体験を冷静に見つめることができるとよいといわれます。
自分で自分を観察するようなものですね。

その時に使える方法の一つに、頭の中に浮かんだセリフに「~と考えた」を付け足すという方法があります。
先ほどのエピソードなら、『なんだかうるさいな…と考えた』
『いやいや、こんなこと考えちゃダメだ…と考えた』という具合です。
すると、先ほどの頭に浮かんだ考えごとから少しだけ距離をとって、
冷静なもう一人の自分が観察しているような感じになりませんか?

フムフム。私はこんなことを考えたんだな~。ふ~ん。
こんな調子で、まずは体験したことをよく見つめることがストレス対処の第一歩になります。
冷静になってみると、それだけでネガティブな気持ちが弱まっていることもよくありますよ。
心配事が頭から離れないとき、イライラしてどうしようもないとき、
憂うつで何もやる気が起きないとき、こんな時は「~と考えた」をぜひ
考えたことの後ろにくっつけてみてください。


by clovercl | 2018-02-03 15:30 | 認知行動療法 | Comments(0)