一人じゃない

みなさま、こんにちは。山本です。

9月に入りましたね。
昨日は、夏休み明けの小学生、中学生、高校生で交通機関も混みあっていました。
休み明けは、心も体も、自分のリズムをつかむのに時間がかかります。
最初からギアを全開にすると息切れしてしまうので、
個人的には、しばらくは助走期間、準備期間があってもいいのでは?と思っています。

助走期間、準備期間という点では、
当院で実施している「リターンワークプログラム」も同じような考えに立っていると言えると思います。
「リターンワークプログラム」は、うつ病、うつ状態で休職されている方々がリハビリを行ってから仕事に戻るための復職支援プログラムです。
心身共にしっかりと調子を整えた上での復職をめざし、
さらに、復職してからも再発、再休職にならないよう予防的意味合いも含めて、休職の期間に様々な準備をしようという試みです。
開院以来、300人近い方々がプログラムを利用して復職されています。


休職した最初の段階では、決まった時間に起きる、寝る、ご飯をしっかり食べる、散歩をする、などの生活を整えるところから始め、
集中して読書ができるようになったり、外出機会を増やしても疲れないような体力もつけていったりすることを進めていきます。
生活全般が普段通りにできるようになってきたら、
プログラムの中では、ご自身の性格的な側面、物事全般の捉え方・考え方の傾向、対人関係の持ち方などなど、『自分』という人間について色々考えていただく時間を設けています。
こういう機会がないと、なかなか考える機会もないかもしれませんね(@_@)。
また、『自分』に向き合うというのは、想像以上に大変なことでもあるので、できれば見たくないな~と思うところでもあると思います。

こういった“自己分析”は、仕事に復帰するためのプログラムの一環で行っていることではありますが、
だれでも一度は考えておきたい、知っておきたいことでもあると思います。
何か壁にぶつかった時、挫折したとき、乗り越えなければならない時
などがそのきっかけとなることが多いと思いますが、そこが自分の転機となることもあります。
『自分に向き合う』ことは復職までの道のりの中では、自信や自尊心の回復にもつながるものだと思っています。

また、私が「リターンワークプログラム」に参加されている方々を通して実感することは、
人とのつながりが『力』を与えてくれる、ということです。
私は開院以来、「リターンワークプログラム」に携わらせていただいていますが、この仕事の一番好きな理由がここにあります。

苦しい時に同じように大変な思いをしてきた人、理解、共感しあえる人に出会えた時、
心の距離が少し近くなって、気持ちが軽くなる瞬間があります。
言葉にはしみじみとしたぬくもりを感じます。

社会の中に取り残されてしまったような孤独感、理解してもらえる人が少ない寂しさ、世間の目に対する肩身の狭い思い、など、
否定的なものは自分の内側奥深くにしまわれてしまいがちですが、そういうことも自然と口にできる場所や人がいると、
ゆらゆらと彷徨っていた心が、少し落ち着いて、風が吹いた時にもすぐに飛んで行ってしまわないような重み、支えができるような気がします。

仕事や学校を休んでいても、楽しいことは楽しいと感じる人間らしい感情があってもいいのではないでしょうか。
嫌なことを嫌と言っても笑って受け流してくれる、
よくわからないけれども涙があふれてきてもただそこにいてくれる、
思ったことを口にしても批判も批評もしない、
「ただ受け止めてくれる」人が、みなさんの周りにもいてくれるといいなぁと思っています。
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by clovercl | 2015-09-02 09:30 | スタッフ雑記 | Comments(0)

こころのクリニックで働くスタッフ達のブログ


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